さーちーが住んでいる沖縄本島中部には闘牛という娯楽があります。
スペインの闘牛が「人対牛」なのに対して、こちらは「牛対牛」。琉球時代から現在まで生き続けている庶民の娯楽です。中部の中でも、特にうるま市では、何と今でも毎週1週間に1回開催されているのです。
メジャー(?)な大会になると、ちゃんと新聞にも今週末の取り組みとして、詳しい情報が載っています。で、新聞を見ると、今週末は新屋慶名闘牛大会の「若力大会」。(新人戦みたいなものか?)
ネットの情報みると、沖縄らしく「まったりした娯楽」っていうし。なるほど。
とりあえず、乏しい情報を頼りに、一度行くかって、行ってきました~。
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が、しかし。これがすごかった。
すごい超迫力。そんじょそこらの動物園とはワケが違います。
って、ちょっとヒクくらいです。
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まずは、今回行ってきた屋慶名(やげな)闘牛場は、なんと戦前の施設だそうで、ディープな闘牛世界の中でも、相当にディープな世界です(笑)。
近くまで行くと、「闘牛大会Bull Fight」というノボリがたっていますが、もちろん表示はありません。民家の合間の舗装されていないどろどろの路地を入っていくと、入り口付近のテントの近くに、開催者側?と思われる数名のおじさん、おばさんがうろうろしていて、その人の誰か(笑?)に2500円払うと今日の取組みが書いてあるチラシがもらえて、これがチケット代わりになって通してもらえます。

さーちーも今回初めて行って分かったのですが、このディープな闘牛場には、正式な座席はなく、草むらに座って観戦するので、泥だらけになりたくない人はシートは必需品です。(さーちーは持っていかなかったのですが、会場には主催者側が用意してくれた「お米の空袋」があって、これを使わせてもらいました(^^;)。)
かなり混むと聞いていたので、1時間くらい前に行ったのですが、確かに、開催する午後1時のころには、会場には予想以上の人。牛の関係者らしき人もいますが、全般的におじさん、おばさんの年齢層の人が多い。
←入り口の反対側にある幹部席。審判する人も、司会者もここに座ってます。
チラシには、なんと「80才以上の人は入場無料」との表示が・・。さすが長寿県、沖縄。60才以上ではきっとモトがとれないのね。そして80才以上の人が、この野外の荒れくれたイベントを見に来るんですね・・(汗)。
そうこうする人に、司会の人の紹介とともに、いきなり始まったのですが・・
手順はこんな感じです。
←まず一頭登場。勢子さんがついていて(大体裸足の若者~おじさん)、鼻のひもを引っ張ってきます。

←待っている間、雄叫びをあげたり(牛が「咆吼する」って知ってました?狼のように吠えています)、砂にすりすりしたり(かわいい)しています。

←そして、相手がやってきました。この牛は嫌がってて、引っ張られているけど、8割方の牛は、興奮剤でも打たれたかのような勢いで走り込んできて、いきなり勝負が始まります。

←ドドドーッと入り込んで、いきなりツノ突き合わせたところで、勝負スタート。最初の取り組みは、爆弾v天波号です。

←勝負によっては、牛よりも勢子さんの方が燃えている。横で大声でたきつけています。
が、最初の取り組みは、ここからが、いきなりスゴかったのです。
何と言っても、約800キログラムの重さ同士の押し合い。中央で付き合わせたな~と思ったら、あっという間にドドドドっと片方が押しまくられて、さーちーの目の前のフェンスまで、ドーン!ほとんどフェンスを乗り越えんばかりに体当たりです。当然、泥も飛びまくり。フェンスから1mの範囲に座っていたさーちーは、思わず後ずさりです。っていうか、戦前に作られたっていうフェンス、大丈夫か!?
そして、そのまま、押された牛は、相手の攻撃を交わして、相手の横に回り込もうと、そのままドドドとフェンスに沿うように、回り込み、ツノとツノがぶつかり合って、カチカチ乾いた音を場内に響きわたらせながら、今度は向こう側のフェンスにドーン!
そして、さらに、バッファローのように、「(」と「)」の形になっている、ツノでつばぜりありをしていると思ったら・・
グサッつつつ(流血)(←牛です。)
あまりにスゴすぎて、写真なんてとってられません・・。
地元のサッカーチームの小学生達もたくさん見に来ているのに、いいのでしょうか、この生々しさ。(そりゃ、確かにいつも焼き肉は食べてるけど・・)
さーちー、びびりました。もちろん、刺された牛は逃げ出して、勝負ありです。
まったりした娯楽って言ったのは誰だ~?!
←勝った方の牛は、この「優勝」垂れ幕をかけてもらいます。
でも、これが普通の闘牛なのか、周りの観客のおばあや、おじい達は、ヒキまくるさーちーを見て笑ってました。加えて、後ろ足当たりを刺された牛も、びっこをひきつつも、つつがなく退場していきました。良かった、良かった。
というわけで、心臓バクバクのリアル闘牛体験でした。
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