48島制覇を達成し,バーンアウト現象・・をしている間もなく,やって来ました。4月の「あやはしマラソン」で,とにかく走っている人が多いウチナンチュの仲間入りをしたさーちーが半年に渡って参加を狙っていた企画,「伊平屋島ムーンライトマラソン」です。
開催場所は,いわずと知れた沖縄本島最北部の「伊平屋島」。(もちろん既に制覇済みの島ではありますが)
伊平屋島マラソンの特徴は,日本の公式マラソンで,唯一認められた,夜!(というかハーフは午後5時スタート)走るマラソンということです。
というわけで,日頃,沖縄の厳しい日差しにお肌対策が大変な女性に大人気。ハーフマラソンの女性参加率は,沖縄のマラソンNO1。なんと過半数が女性です。
さらに,涼しい夜で,伊平屋島は平らな島なので,走りやすい。という好条件。
キャッチコピーは,「星の応援,月の伴走」(おお,ますます女性人気度UP!)
というわけで,前回伊平屋島に来てポスターを見たときから,参加したいと思っていたのでした。
ただ,どういうわけか,10月末は台風に当たる時期らしく,去年,一昨年と2年連続,台風で中止になったので,今年は,期待をかけて(?)定員を上回る1021人が申し込みました(なお,大会は土曜日ですが,受付手続は金曜日の日中のみということで,本来は前泊が予定されてる様子。さーちーは,仕事の都合で前泊できなかったため,宿泊予定の宿の方に代理で手続をしていただき,事なきを得ました。)
そして当日。
←マラソン大会開催にあたり,いつもの連絡船だけでは足りなくて,伊江島から借りてきたと思われる,見覚えのある「フェリーぐすく」。これに乗りましたが,これがまた揺れるのなんのって・・・。
(それにしても,当日,伊江島に行く船はどうしてたんだろ??)
船は,立っている人もでるほど,超満員。この人達が全員マラソン走ることのみを目標として乗っているのね-。
よく考えると,島の人口は約1400人なのに,参加者が約1000人ですから,島の人口密度は一気に倍近いわけです。
約1時間30分の乗船の末,到着。
←これが伊平屋島遠景。
港には,ブルーのおそろいのTシャツを着た,大会関係者(村関係者)と思われる人が大勢お出迎え,沿道沿いには「伊平屋マラソン」のノボリもはためいています。まさに,島をあげての企画です。
さーちーは,前回同様,「松金ホテル」さんにチェックイン。ゼッケン等を宿で受け取り,お昼を食べて,昼寝して,船旅の疲れを癒していたら,3時ころには,遠くで「ドーン!」という号砲の音が。まずはフルマラソン組のスタートです。さーちーの参加するハーフマラソンは,この2時間後のスタートです。
いよいよ4時すぎになり,さーちーも出発地点の村役場前へ。
・・います,います,ランナー達。かなり本格的っぽい装備の人から,さーちーレベルのTシャツ短パンのカッコの人まで,いずれもテンションあがってます。さすがに,わざわざ島まで来てやるだけあって,あやはしマラソンよりは,平均年齢は若い(ただし,今回のマラソン参加者の最高齢のおじいさんは,なんと80歳を超えていました。さすが沖縄。しかも完走してました。)。さらに,村役場前のランニング・トラックの周りには,参加者が寝泊まりしているらしきテントが張ってあったり,ゴールした後の振る舞われるという噂(?!)の牛汁の鍋がぐつぐつしていたりして,いよいよ実感・・というか,緊張感が高まってきます。
4時30分から,なぜかラジオ体操ではなく,今風(?)のお姉さんによる「エアロビクス」の準備体操を参加者みんなでした後,5時を待ちます。前回のあやはしマラソン同様,タイムは,ゼッケンに取り付けられたICチップが計ってくれます。
いよいよ5時の号砲で,スタート!
一斉に,村役場を降りて,まずは島の北側方向へと走ります。このときは,まだ太陽が明るくて,前方に久場(くば)山を見ながら,左右に水田(沖縄にしては珍しく水田が残っています。)や,さとうきび畑がある間の真っ直ぐな舗装された道路を,走ります。
2キロくらいで,早速,恵みの第1エイドステーション。小学校くらいの子供達が差し出してくれる水,アクエリアスやミカン,黒砂糖を立ち止まってもらって,西方向へ曲がり,今度は,Uターンして,島の西海岸を,南方向へと走ります。この辺りは,まだまだ周りも,さーちーも余裕です。
西海岸の真ん中,7キロメートル辺り(さーちーの走行時間で50分過ぎくらい)で,ちょうど太陽が海に沈み始めます。なんといっても,走っている道のすぐ右側は,そのままビーチ&海だから,他に見る物もないランニング中,ゆっくりと,太陽が雲に一部隠れたり,また出てきたりしながら,次第に視界から隠れていく夕暮れの移り変わりが,目を楽しませてくれます。
そして,太陽が消えると・・代わって,ふと気がつくと,空には星達が。この時点では,西海岸と東海岸を隔てる山のせいか,まだ月が見えなくて,でも星明かりと,かすかに残っている太陽の残り日を頼りに,街灯も何もない道(右側は海,左側は山)を走ります。西海岸側は,人家もなく,したがって,応援で沿道に出てきてくれる島の住民やエイドステーションもいなくて,聞こえるのは,ただひたすら,静かに,もくもくと走っている前後のランナーの,ひたひたとした足音と息遣いのみ。
こんな真っ暗な中,こんなに大勢の人が,静かに,ひたすら走っているという光景というのは,ふと我に替えると不思議な光景でした。
西海岸も終わりに近づき,島の南端(隣の野甫島と橋でつながっている手前)の米崎ビーチ辺りまで来ると,少しずつ,沿道に座って,「頑張れー」と声をかけてくれたり,鍋をたたいたり,棒きれでガードレールをたたいてくれる,おじい,おばあや,作業着を着たおじちゃん達の応援が出現してきて,ちょっと元気付きます。
ただし,もう真っ暗。この辺りから,やむを得ず,事前に持参するようにといわれていた携帯用ペンライト(さーちーは,軽量で,マッチ棒くらいの長さで,ボールペンくらいの太さの1400円くらいのドイツ製を買いました。それでも,ずいぶん明るい)を手にもって照らしながら,走ります。これも,ムーンライトマラソンならでは。腕を振るとライトが揺れるので見にくい・・。
半分を少し超えた13キロくらいの地点で,島の南端から折り返してUターン。今度は,東海岸側を,北方面に向けて走るわけです。そうすると,今度は,前方の村役場のある山の陰から,次第に月が上ってくるのが見えます・・。
太陽が沈んで,星が出て,月が昇って・・ていうことは,毎日繰り返されていることだけど,こんなに1つ1つをゆっくり確認したのは初めてでした。まん丸くて,素敵にまぶしい月でした。
15キロ過ぎ辺りから,がくっと疲れて,暗い中,注意力も衰えてきたさーちー。そして,ここで悲劇が!!!
何気なく右足を前におろした瞬間・・グシャッという,何か大きめの空洞の箱を踏んだような感覚が。
なにっ・・・と思ってライトで足下を照らすと・・
カニさんがーー!
満月につられたのか,海側から,複数のコブシくらいの大きさのカニさん達が,まさにカニ走り(これが,けっこう早い)で,ランナーが走る道を横切っていたのです・・。やはり満月の夜だから・・?カニさん,ごめんよ・・。
思いがけないハプニングに,かなりへこみつつ,かつ,最後の方は坂道なので,一生懸命走っているつもりが,全然前に進まないような気分だったけど,山の上のお月様が目標になり,月を追い掛けるような感じで,途中のエイドステーションや沿道の,「あと1キロだよー」,「あと2キロだよー」(なぜ増えてる・・)という,多少距離をサバ読みした(?)声援に後押しされながら,最後まで,歩かずにゴールを達成できました。
記録は・・あやはしマラソンのときよりも1分更新(^^;)。あのときよりも,だいぶコンディションやコースは走りやすかったのに,思ったよりも記録は伸びませんでした。
完走者には,こんな素敵な完走証と,月のように真ん丸で,海のように真っ青なガラスのメダルが贈られました!(その下は,参加賞のTシャツ)。
(ちなみに,マラソン当日はマラソンに必死だし,カメラを持参できないので,当日の盛り上がりの様子を写真ではお届けできませんでしたが,実は,FFF・・,新聞には載ってしまったさーちーでした。)
翌日の朝,船で帰るときは,村長さん自らが率先して,村の人々から沖縄本島行きの船には沢山のテープが投げ込まれて,我々がそれをキャッチし,船が出航するとともにリボンのようにそのテープが,リボンのように両者の間を舞うという,映画のような,最後の別れのシーンを演出してくれていました。


そして,ふと気がつくと,横断幕には,早くも来年のマラソンの日程の告知が・・!
でも,最初から最後まで,島の人から,こんな温かいホスピタリティを受けて,来年も来よう!と堅く思った人は・・・・さーちーだけでは,ないハズです。
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